クレジットカードの現金化とは?
広告やチラシなどでよく見かける「クレジットカードのショッピング枠の現金化」というサービスですが、読んで字のごとく、手持ちのクレジットカードを使用して業者が指定する物品を分割払い若しくはリボ払いなどで購入し、その商品を買い取って貰う又はキャッシュバックで現金化するサービスの事です。
少額の借入を考えた場合、キャッシングの場合、金利は18%~となりますが、クレジットカードのリボ払い金利は、15~16%程度と一見すると、キャッシングよりお得なんじゃないかとお感じになるかもしれません。
しかし、クレジットカードの現金化には、業者や金額によって異なりますが10%程度の手数料が発生します。
つまり、10万円借りたいと考えた場合、10%の手数料を引かれることを考慮すると、111,111円の商品を購入せねばならず、手数料まで考慮すれば、少なくともキャッシングよりお得と言うことは、ないのです。
キャッシングと比較してみよう
では、実際に10万円を借りた場合に、どれくらい手数料や金利が発生するのかシミュレーションしてみましょう。
まずは、返済期間を12ヶ月として考えてみます。
借入金額 (購入金額) |
手数料(率) | 手元現金 | 金利 | 支払利息 | 総支払額 | 実質金利 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
キャッシング | 100,000円 | 0円(0%) | 100,000円 | 18% | 18,000円 | 118,000円 | 18% |
クレジットカード 現金化 |
111,111円 | 11,111円(10%) | 100,000円 | 16% | 17,778円 | 128,889円 | 28.8% |
リボ払い金利に手数料を加えた金額をベースに実質的な金利に引き直してみると「28.8%」となり、かつてのグレーゾーン金利並のコストを払う必要があると言うことが、お分かり頂けたのではないでしょうか?
法的にはグレー・クレジットカード会社的にはブラック
この「クレジットカードのショッピング枠の現金化」というサービスには、このサービス自体を定義した法律もなければ、規制する法律もありませんから、現時点で違法かどうかと言われれば違法ではないとしかいいようがありません。。
しかし、関連法が全くないと言う事は、誰でも、たとえ反社会的勢力であっても開業できるということであり、なにか不都合が生じた場合であっても、法的な「ユーザー保護」の仕組みも全くないと言う事ですから、業者とのトラブルについては全て自己責任となります。
サービスを利用して約束通りのお金が振り込まれない、キャンセルしたらキャンセル料を取られた、キャンセルしたのにクレジット契約を取り消してくれない等のトラブルが消費者庁などに多数寄せられており、質の悪い業者もかなりあるようです。
尚、上記の通り、クレジットカード利用者と現金化業者の間に於いては、法的にグレーゾーンですが、クレジットカード利用者とクレジットカード会社との間においては、「契約違反」となるため、利用が判明した場合には、退会処分になることもあり、「現金化」の為に利用した分以外の利用分も含めて一括返済を求められます。
また、消費者庁では、 「クレジットカードの現金化」が不正なクレジットカードの利用方法であることを知った上で利用した場合には、 詐欺罪(刑法第246条)等に抵触する可能性があると指摘しており、場合によっては刑事告訴の対象となる場合もあると言うことを覚えておきましょう。
「クレジットカードのショッピング枠の現金化」は、手持ちのクレジットカードを利用する事から、審査無く、簡単な手続きで利用出来ると言うことで、多重債務状態で簡単にはお金を借りれない方や「クレジットカードはOKだけど、キャッシングはNG」という、ちょっと偏った考えの方等から、ある程度のニーズがあるようですが、キャッシングやカードローンを利用する事と比較して、あまりにもリスクが大きいと言わざるを得ません。
「クレジットカードのショッピング枠の現金化」の利用をお考えの方は、本当にこれでいいのか?本当にこれ以外方法がないのか?を是非もう一度お考え頂く事を強くお勧めします。