キャッシングやカードローンに限らず、所謂ローン契約を結ぶ際には100%なんらかの形での審査が行われます。
近年のキャッシング・カードローン業界では、最短30分程度で審査結果が出るようになっており、その審査システムはより早くより正確な審査結果を導き出せるように日々改良が行われています。
ではこのキャッシングに於ける審査の仕組みとはどのようなものなのでしょうか?
属性によるシステム審査が基本ベース
現在のキャッシング審査において最も重要視されているのが「属性」です。
属性とは、職業、勤続年数、年収、健康保険の種類、居住形態、居住年数、家族構成、配偶者の有無などの所謂社会的属性のことで、金融各社は申込者の属性情報に基づいてシステム的な審査を行っていきます。
属性スコアリング方式
属性スコアリング方式での審査は、申込者の属性情報毎にスコアリング(点数を付ける)するというもので、そのスコア(点数)の合計よって審査を行っていきます。
例えば、職業や勤務先におけるスコアリングでは、公務員が最も高評価で、大手企業、中小企業と評価が低くなっていき、自営業、アルバイトが最も低い評価となるといった具合です。
各属性の主な審査判断は下記の通りとなっており、右に行くほど表が低く判断されます。
- 職業・勤務先:公務員 ⇒ 大手企業 ⇒ 中小企業 ⇒ 自営業 ⇒ パート・アルバイト
公務員や大手有名企業に勤めている方は、安定的な収入があり、勤続年数も長くなる傾向にあるため、返済能力が高いと判断されます。
自営業の方は収入の安定度では低く評価されやすい上に、事業資金として利用される可能性もあるため、低評価となりやすいとされています。 - 雇用形態:正社員 ⇒ 契約社員 ⇒ 派遣社員 ⇒ アルバイト
派遣社員、アルバイトの方は何時やめるかわからないのでスコアが低くなります。 - 勤続年数:10年以上 ⇒ 5年以上 ⇒ 3年以上 ⇒ 1年以上 ⇒ 半年
勤続3年以上であれば概ね問題無いと判断されます。 - 年収:400万円以上 ⇒ 200万円以上 ⇒ 200万円未満
年収単体で判断するのであれば、当然ですが、高ければ高いほどスコアが高くなります。 - 住居:持家(自己名義) ⇒ 持家(家族名義) ⇒ 社宅 ⇒ 賃貸マンション・アパート ⇒ 公営住宅
キャッシングやカードローンでの借入額であれば、あまり住居形態は重要視していないとされています。
ただし、下記の居住年数と組み合わせて賃貸で半年以下など著しく居住年数が短い場合は、借り逃げを警戒される事もありマイナス評価となりやすいとされています。
また、持家(自己名義)でも住宅ローンの返済額によっては、その分で返済能力を低く見積もられる場合があります。 - 居住年数:10年以上 ⇒ 5年以上 ⇒ 1年以上 ⇒ 半年
居住年数単体で判断するのであれば、長いほどスコアが高くなります。 - 同居家族:あり ⇒ なし
- 配偶者:あり ⇒ なし
同居家族や配偶者がいる方の方が、家族に「知られたくない」「迷惑をかけたくない」との心理から返済実績が高くプラス評価となります。 - 他社からの借入:あり ⇒ なし
- 過去の返済実績:良好 ⇒ 遅れあり ⇒ 延滞あり
金融事業者の規模にもよりますが、全く初めてキャッシングを利用される方より、過去に他社を利用した事があり、しっかりとした返済実績をお持ちの方の方が高評価となるケースもあります。
もちろん各属性がそれぞれ単体でチェックされるわけではなく、他の属性との関連・因果関係なども勘案して、スコアリングが行われ、年収が高くても危険度の高い職業や離職率の高い職業については低く評価されるなどのチューニングが行われています。
また、各属性の重要度の度合いも常に変化しており、当然各社それぞれの重み付けも異なります。
属性モデル方式
属性モデル方式での審査は、金融各社がもつ過去の顧客データから、申込者の属性に最も近い利用者をモデルデータとしてピックアップして、そのモデルデータを元に申込者の将来的な利用状況を予測するという審査が行われます。
単純に言えば、申込者と同じ職業で同じ程度の勤続年数、年収、居住形態の利用者達が過去にどのような利用をしていたのかということで審査が決まるというものです。
この属性モデル方式での審査で正確な審査結果を導き出すためには、膨大な顧客データが必要となるため、大手の金融会社でしか利用出来ません。
信用情報機関への照会結果も重要視
上記の属性による審査はあくまでシステムによる機械的な審査ですので、これだけで審査が全て完了するわけではありません。
当然ながら申込情報に虚偽、誤りが無いのかも含め信用情報機関への照会も行われ、他社借入の状況などもチェックされます。
結果、申込内容に齟齬があると低く評価される可能性がありますので、申込内容に誤りが無いように十分に注意が必要です。
また、上記の属性と過去の信用情報のどちらが重要かといえば、やはり信用情報です。
現在、どれだけ良好な属性であっても信用情報に過去の返済状況で事故があるとなれば、審査にとっては大きなマイナスポイントとなり、審査に通過出来ない可能性がかなり高くなります。
最終的には「人」が審査
もちろん上記の属性による審査や信用情報機関への照会結果を元に、最終的な審査判断は各社の審査担当者が行っています。
機械的な判断に、担当者の経験による判断を加えることでよりスピーディーで精度の高い審査がおこなわれる仕組みとなっています。