プロミスに限らずキャッシング、カードローンの商品詳細などを確認すると返済方式という項目があり、プロミスの場合「残高スライド元利定額返済方式」と表記されています。
ちなみにアコムでは「定率リボルビング方式」、アイフルでは「借入後残高スライド元利定額リボルビング返済方式」となっています。
返済方式とは?
ここでいう返済方式とは、元金と利息をどのように毎月返済するのかという取り決めのことで、大きく分けて3種類あります。
- 元金均等返済方式
あらかじめ定められた期間(月数)で元金を均等に分割し、毎月一定額の元金を返済していく一方で、金利分が変動するため毎月の返済額が変わる返済方式です。 - 元利均等返済方式
毎月の返済額は一定ですが、金利の変動があった場合には、元金と金利への充当割合が変わる返済方式です。 - リボルビング方式
契約者が定めた一定の返済額、もしくは借入残高に対して一定の割合の金額を毎月返済する返済方式で、元金と金利の合計額を一定額で毎月返済する方式を元利定額リボルビング方式、一定の割合の金額を毎月返済する方式を元利定率リボルビング方式と呼び、借入残高によって定額・定率が変化するものを「残高スライド方式」と呼びます。
つまり「残高スライド元利定額返済方式」とは?
元金と金利の合計額を一定額で毎月返済する方式でその定額が借入残高によって変化するタイプの返済方式です。
なお、変動基準は下記のようになっています。
お借入残高 | ご返済額 | ご返済回数 |
---|---|---|
30万円以下 | お借入後残高 × 3.61% (1,000円未満切り上げ) | ~36回 |
30万円超過 ~100万円以下 |
お借入後残高 × 2.53% (1,000円未満切り上げ) | ~60回 |
100万円超過 | お借入後残高 × 1.99% (1,000円未満切り上げ) | ~80回 |
例えば借入残高が20万円だった場合、
20万円×0.0361=7,220円となりますから、1,000円未満を切り上げて、8,000円が最低返済額となり、
借入残高が50万円だった場合には、
50万円×0.0253=12,650円となりますから、1,000円未満を切り上げて、13,000円が最低返済額となるわけです。
また、「元利定額返済方式」ですので、ここで算出された最低返済額は元金返済分と利息の合計金額です。
例えば借入残高が20万円だった場合、
(20万円×0.18)÷12=3000円が利息返済分となり、最低返済額8,000円のうち5,000円が元金返済分となり
借入残高が50万円だった場合には、
(50万円×0.178)÷12=7,500円が利息返済分となり、最低返済額13,000円のうち5,500円が元金返済分として充当される計算となります。
最低返済額はあくまで最低でも返済しなければならない金額
プロミスだけでなく多くのキャッシングやカードローンで採用されている「残高スライド元利定額返済方式」ですが、毎月必ず返済しなければならない金額(最低返済額)が少なめになるため、月々の負担としては少なくてすむというメリットがある一方、返済額が少額で済む=元本返済分も少ないということですから、借入残高にもよりますが、最低返済額の返済のみでは完済するまでにかなりの時間がかかってしまうこととなります。
最低返済額はあくまで最低でも返済しなければならない金額であることを理解しておきましょう。
最低返済額以上の繰上返済が効果大
残高スライド元利定額返済方式に限らず、どのような返済方式でも借入残高を積極的に減らすことが、利息の節約になり、支払額の軽減に大きく寄与します。
たとえば、借入残高が20万円だった場合、毎月の最低返済額8,000円のみを支払っていると完済までに32か月かかり、支払利息の総額は、52,540円にもなりますが、毎月の返済額15,000円とすると完済までの期間は15か月と大幅に短縮され、支払利息の総額も24,807円に軽減されます。
8,000円/月の場合 | 15,000円/月の場合 | ||||||||
回数 | 返済金額 | 元金 | 利息 | 残高 | 回数 | 返済金額 | 元金 | 利息 | 残高 |
累計 | 252,540 | 200,000 | 52,540 | 0 | 累計 | 224,807 | 200,000 | 24,807 | 0 |
1 | 8,000 | 5,000 | 3,000 | 195,000 | 1 | 15,000 | 12,000 | 3,000 | 188,000 |
2 | 8,000 | 5,075 | 2,925 | 189,925 | 2 | 15,000 | 12,180 | 2,820 | 175,820 |
3 | 8,000 | 5,152 | 2,848 | 184,773 | 3 | 15,000 | 12,363 | 2,637 | 163,457 |
4 | 8,000 | 5,229 | 2,771 | 179,544 | 4 | 15,000 | 12,549 | 2,451 | 150,908 |
5 | 8,000 | 5,307 | 2,693 | 174,237 | 5 | 15,000 | 12,737 | 2,263 | 138,171 |
6 | 8,000 | 5,387 | 2,613 | 168,850 | 6 | 15,000 | 12,928 | 2,072 | 125,243 |
7 | 8,000 | 5,468 | 2,532 | 163,382 | 7 | 15,000 | 13,122 | 1,878 | 112,121 |
8 | 8,000 | 5,550 | 2,450 | 157,832 | 8 | 15,000 | 13,319 | 1,681 | 98,802 |
9 | 8,000 | 5,633 | 2,367 | 152,199 | 9 | 15,000 | 13,518 | 1,482 | 85,284 |
10 | 8,000 | 5,718 | 2,282 | 146,481 | 10 | 15,000 | 13,721 | 1,279 | 71,563 |
11 | 8,000 | 5,803 | 2,197 | 140,678 | 11 | 15,000 | 13,927 | 1,073 | 57,636 |
12 | 8,000 | 5,890 | 2,110 | 134,788 | 12 | 15,000 | 14,136 | 864 | 43,500 |
13 | 8,000 | 5,979 | 2,021 | 128,809 | 13 | 15,000 | 14,348 | 652 | 29,152 |
14 | 8,000 | 6,068 | 1,932 | 122,741 | 14 | 15,000 | 14,563 | 437 | 14,589 |
15 | 8,000 | 6,159 | 1,841 | 116,582 | 15 | 14,807 | 14,589 | 218 | 0 |
16 | 8,000 | 6,252 | 1,748 | 110,330 | |||||
17 | 8,000 | 6,346 | 1,654 | 103,984 | |||||
18 | 8,000 | 6,441 | 1,559 | 97,543 | |||||
19 | 8,000 | 6,537 | 1,463 | 91,006 | |||||
20 | 8,000 | 6,635 | 1,365 | 84,371 | |||||
21 | 8,000 | 6,735 | 1,265 | 77,636 | |||||
22 | 8,000 | 6,836 | 1,164 | 70,800 | |||||
23 | 8,000 | 6,938 | 1,062 | 63,862 | |||||
24 | 8,000 | 7,043 | 957 | 56,819 | |||||
25 | 8,000 | 7,148 | 852 | 49,671 | |||||
26 | 8,000 | 7,255 | 745 | 42,416 | |||||
27 | 8,000 | 7,364 | 636 | 35,052 | |||||
28 | 8,000 | 7,475 | 525 | 27,577 | |||||
29 | 8,000 | 7,587 | 413 | 19,990 | |||||
30 | 8,000 | 7,701 | 299 | 12,289 | |||||
31 | 8,000 | 7,816 | 184 | 4,473 | |||||
32 | 4,540 | 4,473 | 67 | 0 |
ざっくりの計算で恐縮ですが、返済額を1.88倍増やしたことで、支払利息は2.11倍軽減されました。
このように毎月の返済時に最低返済額以上の金額を繰上返済することは、借入残高を減らすためには、きわめて効果的であり、結果、金利負担、支払総額を大幅に軽減することができるのです。